ドル円相場これからどうなる?短期的な動きと長期的な目線
ドル円相場というのは、過去25年ごとに大きくトレンド転換をしてきました。
1945年より1970年までは1ドル=360円と固定相場でしたが、1970年以降は変動制となり一気に円高傾向に進んでいきます。そして、1995年以降になると上下のブレはあるもののほぼ横ばいという推移です。
これは、1945年の終戦より日本は高度経済成長をしてきましたが、固定相場であったため、ドル円の変動はなし。これが1970年に変動となったため、それまでの日本の成長が為替相場に反映されドル安円高へとなっていったのですね。
しかし、バブルの終焉があり、1995年からは横ばいの25年となっていました。
そして、2020年がちょうど、その25年目というわけです。
おおきなトレンド転換があってもおかしくはない年なんですね。
さて、では、今後のドル円はどうなっていくのか?
基本的にFXなど短い期間で取引をする方は、市場参加者の心理やチャートの動きなどの分析が重要となります。
2020年7月ですと7月24日ごろから一気にドル円は下がり、月末に一気に跳ね上がる動きとなっております。
これがどういうことを意味しているのか?ドル円が下がるとGPIFや輸入企業が買いを入れることがあります。個人投資家たちのお金に対して、こういった買いはそれらを一気に食ってしまうほど大きな注文です。時間をかけて下がったドル円が一気に上がる時にはこういった大きな買いが入っていることが多いんですね。さらに、そういった値動きにつられ、個人投資家の利確、損切りも行われますのでさらにドル円の上昇に拍車が掛かったりします。実際、GPIFや輸入企業が買いを入れたかどうかはわからないですけどね。そういった動きには注意が必要です。
このように大きな買いや売りを入れる企業や組織の動きを短期間取引の人たちでは予想する必要があるわけですが、長期的なドル円の動き、つまり、長期投資などを始めようと考えている人、おこなっている人では、国の経済的な力を見る必要があります。
経済成長の要因としては、技術進歩、労働人口、資本が重要となりますが、資本はアメリカも日本も十分にあります。
問題は、技術進歩と労働人口。
圧倒的にこれらで日本はアメリカに後れをとっていますね。
アメリカの特許申請件数だけ見てもアメリカは右肩上がりですが、日本は右肩下がり。
IT分野でもアプリなどのソフト関係はアメリカや中国初の物が多いですよね。
人口では、ご存知の通り日本は人口減。特に今後は高齢化社会で働き盛りの人口割合も減り、技術進歩(イノベーション)も期待が薄い。
しかし、労働人口は機械やコンピューターに頼ればいいという人もいますが、コンピューターは消費をしないんですね。日本のGDPの5割は消費ですのでコンピューターでは消費を埋めてくれない・・・。
ですから、多くの専門家の見解としては、日本とアメリカの国としての経済格差は広がり、円安ドル高傾向となるというのが長期的な予想となっております。